(Dialectical Behavior Therapy)
精神科病棟やクリニックで働いていると、医師や心理職の会話の中で「DBT」という言葉を耳にすることがあるかもしれません。一言でいうと、DBTは「感情のコントロールが難しい方に対して、具体的なスキルを学んでもらうための心理療法」のことです。
特に自傷行為や衝動的な行動に悩む患者さんに対し、ただ「我慢しましょう」と伝えるのではなく、どうすれば自分を守りながら社会生活を送れるかを一緒に考える、非常に実践的なアプローチとして注目されています。
👇 資格を活かして好条件で働くなら!介護専門求人サイト
「DBT」の意味・定義とは?
DBTは、正式名称をDialectical Behavior Therapy(弁証法的行動療法)といいます。1980年代にアメリカの心理学者マーシャ・リネハン博士によって開発されたもので、主に境界性パーソナリティ障害の治療を目的として生まれました。
「弁証法的」という難しい言葉は、「今のありのままの自分を受け入れる(受容)」と「より良い生活のために変化する(変化)」という、一見矛盾する二つの要素を統合するという意味を持っています。カルテではそのまま「DBT」と略記されることが一般的です。
医療・介護現場での実際の使われ方・例文
現場では、患者さんのカンファレンスや多職種連携の中で登場します。特に、感情が不安定な患者さんへの接し方や、治療計画の相談として使われるケースが多いです。
- 「Aさんは感情の波が激しいため、今後はDBTのスキルを参考に、マインドフルネスの視点を取り入れた関わりを強化しましょう。」
- 「医師からDBTの導入について指示がありました。日中のケアの中で、スキル訓練の進捗を観察して記録してください。」
- 「衝動的な言動が見られた際、DBTの技法である苦痛耐性スキルを練習できるように誘導してみましょう。」
「DBT」の関連用語・現場での注意点
DBTを理解する上で一緒に知っておきたいのがマインドフルネスという概念です。「今、この瞬間の自分に意識を向ける」ことで、過度な不安や衝動を鎮める手法です。また、苦痛耐性という言葉もよくセットで使われます。
注意点として、DBTは専門的な訓練を受けたセラピストが行う高度な治療法です。新人スタッフが独断で「DBTのつもり」で助言を行うと、かえって患者さんを混乱させるリスクがあります。あくまで「自分たちはチームの一員として、治療計画をどうサポートするか」という視点を忘れないようにしましょう。
まとめ:現場で役立つ「DBT」の知識
- DBTは感情をコントロールし、安定した生活を送るための心理療法。
- 「受容」と「変化」という二つのバランスを大切にする考え方。
- 現場では、医師の治療方針を理解し、日々のケアの統一を図るための共通言語として使われる。
- 専門的な技法であるため、独学で無理に介入せず、指示に基づいた関わりを心がける。
専門用語が多くて最初は戸惑うかもしれませんが、DBTは患者さんが「自分で自分を助ける力」を育てるための温かい治療法です。焦らず、まずは現場の先輩の関わり方を観察することから始めてみてくださいね。あなたのその丁寧な関わりが、患者さんにとって何よりの救いになります。
コメント