(Visual Analog Scale)
病院や介護施設で働いていると、「今日の痛みのVASはいくつですか?」と先輩が患者さんに聞いている場面に遭遇することはありませんか?
VAS(バス)とは、一言でいえば「患者さんの主観的な痛みの強さを、視覚的に数値化するスケール」のことです。整形外科の外来やリハビリ現場では、治療の効果がどれくらいあったかを客観的に判断するための、非常に大切な指標として日常的に使われています。
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「VAS」の意味・定義とは?
VASは、Visual Analog Scaleの略で、日本語では「視覚的アナログ尺度」と訳されます。通常、10cmの直線を引き、左端を「痛みなし」、右端を「考えうる最大の痛み」として、今の痛みがそのどこに位置するかを患者さん自身に印をつけてもらいます。
例えば、5cmの場所に印がついたら「VAS 50」や「VAS 5」といった形で記録します。言葉だけでは伝わりにくい「なんとなく痛い」「昨日に比べて少しマシかな」といった感覚を、世界共通の物差しで数値化できるため、電子カルテの記録や申し送りで非常に重宝されている手法です。
医療・介護現場での実際の使われ方・例文
現場では、リハビリの前後や、痛み止めの薬を使った後の効果判定によく使われます。医師やセラピストから「VASの推移はどう?」と聞かれることも多いので、日頃からしっかりと記録しておくことが大切です。
- 「リハビリ開始前のVASは8でしたが、終了後はVAS 4まで軽減しています。」
- 「術後の鎮痛剤の効果を確認するため、VASを用いて経時的に評価をお願いします。」
- 「患者さんのVASスコアが昨日から下がらないので、痛みの質が変わっていないか再確認しましょう。」
「VAS」の関連用語・現場での注意点
VASと併せて覚えておきたいのが、数字(0〜10)で痛みを答えてもらう「NRS(Numeric Rating Scale)」です。どちらも同じ目的ですが、VASは紙とペンが必要なため、最近の電子カルテ連携の現場では、より簡便に口頭で聞けるNRSが使われることも増えています。
注意点は、VASはあくまで「患者さんの主観」であるということ。認知機能が低下している方や、言葉でのコミュニケーションが難しい方にはVASでの評価が難しい場合があります。そんな時は無理に数値化を求めず、表情や動作などから痛みを推察する別のスケール(Behavioral Pain Scaleなど)に切り替える柔軟性も必要です。
まとめ:現場で役立つ「VAS」の知識
VASについて重要なポイントをまとめました。
- VASは痛みを10cmの直線上で評価する「主観的な物差し」である。
- 治療やケアの効果を客観的なデータとして残すために必須のツール。
- 患者さんのその時の気分や状況に左右されることもあるため、数値だけでなく「表情」もセットで観察する。
最初は慣れない専門用語に戸惑うこともあるかもしれませんが、VASは痛みに苦しむ患者さんの「声」を届ける大切な手段です。少しずつ現場の空気感に慣れていきましょうね。応援しています!
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