【EMDR】とは?医療・介護現場での意味や使い方を分かりやすく解説

EMDR
(Eye Movement Desensitization and Reprocessing)

精神科や心療内科の現場で耳にする「EMDR」という言葉。何か難しそうに聞こえますが、トラウマを抱える患者さんの心を癒やすための、とても画期的な心理療法のことなんです。

特に近年は、災害や事故、あるいは虐待などのつらい経験による「心の傷(PTSD)」の治療として、世界的に高く評価されています。私たち医療・介護職が、患者さんの心のケアに少しでも深く関わるためには、知っておいて損はない知識の一つです。

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「EMDR」の意味・定義とは?

EMDRは「Eye Movement Desensitization and Reprocessing」の頭文字をとったもので、日本語では「眼球運動による脱感作および再処理法」と訳されます。少し硬い言葉ですが、簡単に言うと「つらい記憶を思い出した時の苦しみを、目の動きを使って和らげ、脳の情報の整理を助ける治療法」です。

私たちの脳は、衝撃的な経験をするとその記憶がうまく整理できず、今の生活にまで悪影響を及ぼすことがあります。EMDRでは、セラピストが指示する眼球運動(または音やタッピングなどの刺激)を行いながら、つらい記憶を再処理します。これにより、記憶は消えるわけではありませんが、思い出した時の「心拍数が上がる」「パニックになる」といった過剰な反応が抑えられるようになるのです。

カルテや申し送りではそのまま「EMDR」と記載されることがほとんどです。精神科領域では治療の選択肢として非常に重要な位置を占めています。

医療・介護現場での実際の使われ方・例文

現場では、患者さんの治療経過を共有する際や、今後の治療方針を検討する場面でこの言葉が登場します。医師や心理士が専門的に行う治療ですが、看護師や介護職としても「この患者さんは今、どんなケアを受けているのか」を把握するために覚えておきましょう。

  • 主治医「AさんはPTSDの症状が強いため、次回からEMDRを導入してみることになりました」
  • 看護師「EMDRのセッションの後は少し疲労感が残るかもしれないので、今日の午後はゆっくり過ごせるように調整しますね」
  • カンファレンスにて「EMDRによる治療が順調に進んでいるようで、最近は以前よりも悪夢の訴えが減ってきたようです」

「EMDR」の関連用語・現場での注意点

関連する用語として「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」はセットで覚えておきましょう。EMDRの主な対象疾患です。また、副作用が少ないと言われていますが、セッション後に一時的に情緒が不安定になる「再処理中の揺り戻し」が起こる可能性があることも理解しておくことが大切です。

新人さんが注意すべき点は、患者さんにEMDRについて詳しく質問されても、自分自身の判断で「この治療をすればすぐ良くなりますよ」といった断定的な回答は避けることです。あくまで治療を行うのは専門的なトレーニングを積んだ医師や心理士です。不安がある場合は、「担当の先生と相談して進めていきましょうね」と寄り添う姿勢を大切にしてください。

まとめ:現場で役立つ「EMDR」の知識

今回のポイントをまとめました。

  • EMDRはつらい記憶の苦痛を和らげるための専門的な心理療法である。
  • 眼球運動などの刺激を利用して、脳内の記憶の整理を促す。
  • PTSDの治療として世界的に推奨されている手法である。
  • セッション後は一時的に患者さんの情緒が不安定になる可能性を考慮しておく。

最初は聞き慣れない専門用語に戸惑うこともあるかと思いますが、一つひとつ理解していけば大丈夫です。患者さんの心に寄り添おうとするあなたの姿勢こそが、どんな治療法よりも何よりの助けになります。焦らず、一歩ずつ一緒に学んでいきましょうね。

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