(Dysarthria)
医療や介護の現場で、患者さんと会話をしているときに「ろれつが回っていないな」と感じたことはありませんか?
そんなとき、申し送りやカルテで使われるのが「構音障害(こうおんしょうがい)」という言葉です。
一言でいうと、話すための筋肉や神経がうまく働かず、言葉がうまく発音できない状態を指します。
脳卒中や神経疾患の患者さんと接する機会が多い現場では、見逃してはいけない重要なサインのひとつです。
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「構音障害」の意味・定義とは?
医学的に「構音障害」とは、話すために必要な唇、舌、口蓋(口の中の天井部分)などの筋肉や、それらを制御する神経がダメージを受けることで、言葉が不明瞭になる状態を指します。
英語ではDysarthria(ディサースリア)と呼ばれ、医療現場でもカルテに「Dysarthriaあり」のように記載されることがあります。
よく誤解されますが、これは「言葉の意味がわからない(失語症)」のとは全く別物です。
頭の中では何を言いたいか分かっているのに、口がうまく動かないために、「パ行」や「カ行」などが言いにくい、声がかすれる、といった症状が出るのが特徴です。
医療・介護現場での実際の使われ方・例文
現場では、患者さんのわずかな変化を伝えるためにこの言葉を使います。
「普段と比べてどう違うか」を具体的に報告できると、先輩からの信頼も厚くなりますよ。
- 「今朝から軽度の構音障害が見られます。脳梗塞の前兆ではないか心配です。」
- 「食事介助の際、構音障害による飲み込みにくさ(嚥下障害)が強くなっているようです。」
- 「患者さん、構音障害で言いたいことが伝わらずイライラされているので、筆談ボードを用意しましょう。」
「構音障害」の関連用語・現場での注意点
現場で働く私たちが特に注意すべきなのは、「嚥下障害」との併発です。
口の筋肉が動かしにくいということは、食べ物を噛んだり飲み込んだりする機能も落ちている可能性が非常に高いからです。
また、「失語症」と混同しないよう注意が必要です。
失語症は脳の言語中枢がダメージを受けて「言葉そのものが出てこない」状態ですが、構音障害は「筋肉の問題」です。
新人スタッフが陥りやすいミスとして、患者さんが返事をしないときに「意識レベルが下がった?」と勘違いしてしまうことがありますが、実はただ口が動かしにくいだけということもあります。
まとめ:現場で役立つ「構音障害」の知識
構音障害について大切なポイントをまとめました。
- 言葉を発する筋肉や神経の障害で、ろれつが回らなくなる状態。
- 脳卒中などの急性期サインである可能性があり、早期発見が重要。
- 「失語症(言葉の意味の障害)」とは別のものとして理解する。
- 食事介助を行う際は、嚥下障害が隠れていないか常に警戒する。
患者さんの「言いたいけど言えない」というもどかしさに寄り添うのは、医療・介護職の大切な役割です。
最初は難しく感じるかもしれませんが、日々の観察の中で「いつもより話しにくいかな?」と気づくことから始めてみてくださいね。
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