(Home-visit nursing intervention)
訪問看護の現場で、先輩スタッフが口にする「看看看(かんかんかん)」という言葉。初めて聞いたとき、「えっ、同じ漢字が3つ並んでいるけれど、どういう意味?」と戸惑ってしまう新人さんは少なくありません。
この「看看看」は、在宅医療の現場で「患者さんの状態を継続的に、かつ重点的に確認する」というニュアンスで使われる、少し独特な医療現場の隠語です。一言でいえば、「とにかく頻回に、入念に様子を見てきてほしい」という熱いオーダーを指しています。
「看看看」の意味・定義とは?
「看看看」とは、訪問看護計画や指示出しにおいて、特定の患者さんの状態が不安定であるため、視覚的・観察的な介入を強化する必要があることを示す現場用語です。
正式な医学用語ではありませんが、中国語の「看看(見てみる)」という言葉が語源の一つと言われており、看護師やケアマネジャーの間で「状態観察の強化」を意味する符丁として浸透しました。カルテの申し送り欄で「看看看案件」と書かれていれば、それは「今日はバイタルサインだけでなく、表情や顔色、周辺環境の変化まで含めて徹底的に観察・把握が必要なケース」と読み解きます。
医療・介護現場での実際の使われ方・例文
現場では、急変リスクがある方や、退院直後で生活リズムが安定しない方に対して使われます。具体的な会話例を挙げてみましょう。
- 「Aさん、昨日から食欲がないみたいだから、今日の訪問は『看看看』でお願い。脱水傾向がないか、口腔内までしっかりチェックしてきて。」
- 「退院直後のBさん、環境の変化で不安が強そうですね。しばらくは申し送りも『看看看』の意識で、精神面の変化も記録に残しましょう。」
- 「指示書には特にないけれど、今のCさんの顔色はちょっと心配だね。申し送りには『看看看』と書いておいて、チーム全体で様子を共有できるようにしておこう。」
「看看看」の関連用語・現場での注意点
「看看看」と一緒に覚えておきたいのは、「状態観察(バイタルモニタリング)」や「スクリーニング」といった言葉です。これらは、ただ漫然と見るのではなく、「何のために、どの指標をチェックするのか」という目的意識を明確にする際に使われます。
注意点として、この言葉はあくまでチーム内の「意識付け」の合図であるという点です。電子カルテの正式な記録として「看看看」と書くことは避け、正式には「全身状態の観察強化」「食欲不振に伴う観察」など、客観的な表現を併記するようにしましょう。また、過度な観察が患者さんのプライバシーや精神的なプレッシャーにならないよう、配慮することも忘れないでください。
「看看看」に関するよくある質問(FAQ)
Q. 看看看と言われたら、具体的に何をすればいいのですか?
A. 基本的には「観察の密度を上げる」ことを意味します。具体的には、測定項目を増やす、所要時間を少し長めにとって会話の内容から小さな変化を感じ取る、周囲の家族の表情も観察するなど、いつも以上に五感を研ぎ澄ませてアセスメントを行うことを指します。
Q. 誰にでも使っていい言葉ですか?
A. 現場の雰囲気にもよりますが、基本的には親しいチーム内や申し送りのメモ書きなどで使う符丁です。医師や他職種への公式な報告では「状態観察を強化いたします」という丁寧な表現を使うのが、プロフェッショナルとして信頼を得るコツです。
Q. なぜそんな不思議な略語を使うのですか?
A. 忙しい訪問看護の現場では、短い言葉で「緊急度」や「注意レベル」を共有する文化があるためです。「看看看」と3回繰り返すことで、通常の観察よりも「かなり注意が必要である」という重みが伝わりやすくなるという、現場の知恵から生まれた言葉です。
まとめ:現場で役立つ「看看看」の知識
- 「看看看」は、状態変化を見逃さないための「観察強化」のサイン。
- 正式な医学用語ではないため、カルテ記載時は客観的な言葉に変換する。
- 観察の際は「なぜそう判断したのか」という根拠をセットで考える。
- 言葉の裏にある「患者さんの変化にいち早く気づきたい」という思いを大切にする。
新しい環境での業務は不安なことも多いですが、「看看看」と先輩が言うときは、あなたが患者さんの小さな変化に気づけるナース・ケア職として期待されている証拠でもあります。ぜひ自信を持って、丁寧な観察を心がけてくださいね。
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