【殿筋群】とは?医療・介護現場での意味や使い方を分かりやすく解説

殿筋群
(Gluteal muscles)

医療や介護の現場で頻繁に耳にする「殿筋群(でんきんぐん)」。
一言でいえば、私たちのお尻にある筋肉たちの総称です。

歩く、立つ、座るといった基本的な動作を支える非常に重要な筋肉であり、おむつ交換や移乗介助、さらには筋肉注射の部位としても、日常的に触れる機会の多い場所ですね。

「殿筋群」の意味・定義とは?

医学的に「殿筋群」とは、骨盤から大腿骨にかけて付着している、大殿筋・中殿筋・小殿筋という3つの主要な筋肉をまとめて呼ぶ言葉です。

これらは身体の中で最も大きな筋肉の一つであり、姿勢の保持や下半身の安定に欠かせない役割を果たしています。現場では略して「殿筋」と呼ぶこともありますが、筋肉のグループを指すため「群」をつけて呼ぶのが正確です。カルテ記載や申し送りでは「殿部(でんぶ)」という言葉もよく使われます。

医療・介護現場での実際の使われ方・例文

現場では、患者さんの身体機能の評価や、褥瘡(じょくそう)のリスク管理、そして筋肉注射の指示など、様々な場面でこの言葉が登場します。

  • 「殿筋群の筋力低下が見られるため、歩行時のふらつきに注意して離床介助を行いましょう」
  • 「殿部への長時間圧迫を避けるため、ポジショニングを工夫して殿筋群の血流を保ちます」
  • 「今回の筋肉注射は殿筋群を狙って行います。硬結がないか事前にしっかり確認してくださいね」

「殿筋群」の関連用語・現場での注意点

あわせて覚えておきたいのが「褥瘡(じょくそう)」や「梨状筋(りじょうきん)」といった用語です。殿筋群のすぐ近くには坐骨神経が通っているため、注射やマッサージの際は注意が必要です。

新人さんが陥りやすいミスとして、筋肉注射の際に解剖学的な位置を正確に把握できていないケースがあります。殿筋群は範囲が広いため、適当に刺すのではなく、必ず骨指標を確認し、神経を避ける部位を選択する知識が必須です。また、高齢者の場合は筋萎縮が進んでいることも多いため、厚みを過信しないことも大切ですよ。

「殿筋群」に関するよくある質問(FAQ)

Q. 殿筋群の筋力低下は、なぜ介護で重要なのですか?

A. 殿筋群は、起き上がる、立つ、歩くという日常の動作のエンジンだからです。ここが弱まると自力での立ち上がりが難しくなり、転倒リスクが急激に高まるため、リハビリや介助において非常に重要視されます。

Q. 筋肉注射でなぜ殿筋群が選ばれるのですか?

A. 殿筋群は筋肉の体積が非常に大きく、一度に吸収できる薬の量が多いからです。ただし、血管や神経を傷つけないよう、医療従事者には正確な解剖学的知識と技術が求められます。

Q. 電子カルテではどう記載するのが一般的ですか?

A. 多くの施設では「殿部」という言葉が使われます。「殿筋群の緊張亢進(緊張が強い)」や「殿筋の廃用性萎縮(使わなくて痩せてしまった)」といった形で、状態を具体的に記載するのが好ましいですね。

まとめ:現場で役立つ「殿筋群」の知識

  • 殿筋群は「大殿筋・中殿筋・小殿筋」の3つをまとめた総称。
  • 歩行や姿勢保持の要であり、褥瘡管理や筋肉注射でも重要部位となる。
  • 坐骨神経の走行などを理解し、安全に触れる・ケアすることが重要。

身体の大きな筋肉である殿筋群を理解することは、患者さんの生活の質を守ることに直結します。最初は難しく感じるかもしれませんが、日々のケアを通じて少しずつ身体の動きと結びつけて覚えていってくださいね。あなたの丁寧なケアは、必ず患者さんの安心に繋がっていますよ!

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