(Omission of Calculation)
医療・介護現場で耳にする「算定漏れ(Omission of Calculation)」という言葉。一言でいえば、「本来受け取れるはずの診療報酬や介護報酬を、請求し損ねてしまうこと」を指します。
患者さんに提供したケアや検査、処置に対して、適切な対価が支払われないことは、病院経営にとって大きな損失です。新人スタッフの皆さんは、日々の業務に追われる中で「自分が何をしたか」を正しく記録することが、経営を守る第一歩であることを覚えておきましょう。
「算定漏れ」の意味・定義とは?
算定漏れとは、医師の指示に基づく検査、看護師による処置、介護スタッフによるケアなどの「算定可能な行為」が行われたにもかかわらず、電子カルテへの入力や請求ソフトへの反映がなされず、結果として診療報酬や介護報酬が請求されなかった状態を指します。
由来として特別な語源はありませんが、現場では「算定(報酬を計算すること)」と「漏れ(抜けていること)」が組み合わさって使われています。カルテや申し送りでは「算定落とし」と呼ばれることもあります。電子カルテの普及により自動計算も増えましたが、それでも「入力のタイミングが遅れた」「セットオーダーを選択し忘れた」といった人為的なミスは、現代の医療DX現場でも依然として起こり得る課題です。
医療・介護現場での実際の使われ方・例文
現場では、月末のレセプト請求点検の際や、申し送りの場面で頻繁に使われます。誰かを責めるためではなく、「なぜ起きたのか」「次はどう防ぐか」をチームで共有するために使われることが重要です。
- 「申し訳ありません、処置セットの入力が漏れていました。今月の算定漏れとして修正をお願いします。」
- 「この患者さん、先週の吸引回数が多くて算定漏れが発生しているかもしれません。一度カルテを見直してみましょう。」
- 「算定漏れを防ぐために、このケアを実施したらすぐにチェックボックスにレ点を入れる運用にしましょう。」
「算定漏れ」の関連用語・現場での注意点
関連用語として覚えておきたいのが「レセプト(診療報酬明細書)」と「突合点検」です。レセプトは病院が保険者へ報酬を請求するための書類で、ここが正しく記載されていないと報酬が支払われません。
新人スタッフが勘違いしやすいのは「入力すればすべてOK」という思い込みです。実際には、「その行為は算定要件を満たしているか(疾患や実施頻度の制限など)」というルールを理解しておく必要があります。また、過剰に請求しようとする行為は「不正請求」にあたるため、あくまで「正しく行ったことを正しく記録する」という意識が、現場でのリスク管理の基本となります。
「算定漏れ」に関するよくある質問(FAQ)
Q. 算定漏れに気づいたら、すぐに自分で修正していいですか?
A. 勝手な修正は控えましょう。まずは先輩スタッフや医事課・事務担当者に報告してください。診療報酬の修正にはルールがあり、過去の請求期間を過ぎていないか、あるいはどのような訂正手続きが必要かを担当者が判断するためです。
Q. 算定漏れが起きると、患者さんの負担も増えますか?
A. 多くの場合、算定漏れは「病院側の請求忘れ」であり、後から正しい請求をすることで、患者さんの自己負担額が本来の額に修正されることになります。請求ミスは患者さんとの信頼関係にも影響するため、丁寧な説明が必要です。
Q. 電子カルテなら算定漏れは起きないのでは?
A. システム化によりミスは劇的に減りましたが、ゼロにはなりません。例えば「指示が出ていても実施の入力を忘れる」「複数の入力項目の中から選択肢を間違える」といったヒューマンエラーは残ります。ツールを過信せず、最後は人間が確認することが大切です。
まとめ:現場で役立つ「算定漏れ」の知識
- 算定漏れは、提供した医療・介護サービスの対価を受け取り損ねる経営上のリスク。
- 電子カルテが普及した今でも、入力ミスなどのヒューマンエラーはゼロではない。
- 気づいた際は隠さず報告し、チームで再発防止策を考えることが成長への近道。
最初は誰もが失敗するものですが、その一つひとつを学びのチャンスに変えていきましょう。あなたの正しい記録が、病院の経営を守り、ひいては患者さんへのより良いケアにつながります。応援しています!
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