【PEP】とは?医療・介護現場での意味や使い方を分かりやすく解説

PEP
(Positive Expiratory Pressure)

医療現場でリハビリや呼吸ケアに関わっていると、ふと耳にする「PEP(ペップ)」。これは、一言でいえば「吐く息に抵抗をかけて、肺の中を広がりやすくする呼吸ケアの技術」のことです。

主に呼吸器疾患のある患者さんや、術後の肺合併症を予防したい方に対して行われます。ただ息を吐くだけではなく、あえて少し抵抗をかけることで気道を広げ、痰を出しやすくしたり、肺の奥まで空気を届けたりする非常に重要な役割を持っています。

「PEP」の意味・定義とは?

PEPは、英語の「Positive Expiratory Pressure」の頭文字をとった言葉で、日本語では「呼気陽圧」と訳されます。医学的には、呼吸の際に肺や気管支の内側にかかる圧力を、大気圧よりも高い状態(陽圧)に保つことを指します。

普段、私たちは何気なく息を吐いていますが、病気や術後は気道が潰れやすくなっています。PEP療法では、専用の器具を使って「フッ」と吐く時にあえて負荷をかけます。これにより気道に「つっかえ棒」のような圧力がかかり、気道が狭まるのを防ぐことができるのです。

医療・介護現場での実際の使われ方・例文

現場では、リハビリスタッフが中心となって指示を出したり、看護師が呼吸の様子を確認したりする場面で使われます。電子カルテのオーダーや申し送りでも頻繁に登場します。

  • 「患者さんの痰の排出が難しいので、午後のリハでPEPデバイスを使用した呼吸訓練をお願いします」
  • 「術後の肺機能維持のため、PEPを活用した深呼吸を1時間に3回行いましょう」
  • 「PEP実施中にSpO2(経皮的酸素飽和度)が低下しないか、モニタリングしながら慎重に進めてください」

「PEP」の関連用語・現場での注意点

PEPを理解する上で一緒に覚えておきたいのが「呼気(こき)」と「吸気(きゅうき)」の区別です。PEPはあくまで「吐く息」に圧力をかけるものですが、対になる概念として「吸気時に圧をかけるIPPB(間欠的陽圧換気法)」などもあります。

注意点として、PEPは無理に行うと肺に過度な負担がかかる可能性があります。特に肺気腫など肺の組織が弱くなっている方に行う場合は、圧力を上げすぎないよう、必ず医師や理学療法士の指示量(設定圧)を守ることが重要です。また、使用する器具が汚れていると感染源になるため、使用後の洗浄・滅菌管理も現場では非常に厳格に行われています。

「PEP」に関するよくある質問(FAQ)

Q. PEPはどのような器具を使って行うのですか?

A. 一般的には「PEPデバイス」と呼ばれる専用の器具を使います。マウスピースの先に抵抗をつける弁がついた筒のようなものや、振戦(振動)を伴うもの(スクイージングを補助するタイプなど)があり、患者さんの状態や痰の量に合わせて医師が選択します。

Q. 息を吐く時に抵抗を感じるのは苦しくないのでしょうか?

A. 最初は慣れないため苦しく感じる方もいらっしゃいます。そのため、最初は最も軽い負荷から開始し、患者さんの呼吸のリズムに合わせてゆっくりと練習するのが基本です。決して無理強いせず、苦しそうな表情や酸素濃度の低下がないかを常に見守るのが私たちの役目です。

Q. PEPと痰出し(排痰)は同じことですか?

A. 厳密には少し違います。PEPは「気道を広げ、奥の痰を出しやすい場所まで移動させるための手段」であり、排痰はその結果として痰を外に出す行為です。PEPを行うことで、少ない労力で効率的に痰を出せるようになるのが最大のメリットです。

まとめ:現場で役立つ「PEP」の知識

  • PEPは「吐く息に抵抗をかけて気道を広げる」呼吸ケアのこと。
  • 痰の排出促進や、肺の膨らみを維持するために非常に有効なツール。
  • 現場では「設定圧」と「患者さんの呼吸状態」の観察が何より大切。
  • 器具の衛生管理を徹底し、安全に訓練を進める意識を持つこと。

最初は聞き慣れない略語に戸惑うこともあるかもしれませんが、PEPは患者さんの「息苦しさ」を和らげるための大切な技術です。少しずつ知識を身につけて、自信を持って患者さんのケアに当たってくださいね。応援しています!

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