【肺塞栓症】とは?医療・介護現場での意味や使い方を分かりやすく解説

肺塞栓症
(Pulmonary Embolism (PE))

「肺塞栓症(はいそくせんしょう)」は、一言でいえば「肺の血管が血栓(血の塊)で詰まってしまい、呼吸や循環に深刻なダメージを与える病気」です。

医療・介護の現場では、いわゆる「エコノミークラス症候群」として耳にすることが多いかもしれません。特に術後の患者さんや、長期間ベッド上で安静にされている方の急変リスクとして、常に警戒すべき非常に恐ろしい疾患の一つです。

「肺塞栓症」の意味・定義とは?

肺塞栓症は、英語でPulmonary Embolismと呼び、頭文字をとってPEと略されます。

医学的には、主に足の静脈などにできた血の塊(深部静脈血栓)が血流に乗って流れ出し、肺の血管を塞いでしまう状態を指します。血管が詰まることで、血液への酸素供給がストップし、最悪の場合は心肺停止に至ることもあります。

現場では「PE」という略語がカルテや医師間の会話で頻繁に使われます。電子カルテのサマリーで「PE疑い」「PEリスク考慮」といった記載を見かけたら、すぐさま医師への報告やバイタルサインの確認が必要なサインだと捉えてください。

医療・介護現場での実際の使われ方・例文

現場では、急変の予兆やリスク管理の文脈でこの言葉が使われます。特に動きが少ない患者さんの観察において重要です。

  • 「術後の離床が進まない患者さんですが、PEのリスクを考えて下肢の浮腫や発赤がないか観察を強化してください」
  • 「急に呼吸苦と頻脈が出現しました。SPO2も低下傾向です。PEの可能性を考えてドクターコールしましょう」
  • 「この患者さん、DVT(深部静脈血栓症)の既往があるので、PEの発症には十分注意が必要です」

「肺塞栓症」の関連用語・現場での注意点

肺塞栓症を理解する上で、DVT(深部静脈血栓症)という言葉はセットで覚えておきましょう。PEが「肺で詰まること」なら、DVTは「足で血栓ができること」です。足の血栓が剥がれて肺に飛ぶことでPEが起こります。

新人スタッフが勘違いしやすいのは、「元気な人は大丈夫」と思い込んでしまうことです。近年では長時間のデスクワークや、高齢者の脱水などでも発症リスクが高まります。また、2026年現在の医療現場では、最新のAI搭載型モニターが早期の頻脈や血圧変動をアラートとして検知してくれることも多いですが、やはり「足のむくみ」や「ふくらはぎの痛み」といった、日々のケアの中での小さな違和感に気づく看護・介護の視点が、患者さんの命を救う最大のDX(デジタル変革)と言えます。

「肺塞栓症」に関するよくある質問(FAQ)

Q. 肺塞栓症はどんな症状が出たら疑うべきですか?

A. 特徴的なのは、突然の「息切れ」「胸の痛み」「頻脈(脈が速くなる)」です。特に、これまで安静にしていた患者さんが立ち上がった瞬間や、術後の離床時に急激な呼吸困難を訴えた場合は、すぐにPEを疑って対応する必要があります。

Q. 予防のために現場でできることはありますか?

A. 何よりも「早期離床」と「水分摂取」が基本です。動けない患者さんに対しては、看護師・介護職が連携して下肢の弾性ストッキングの着用確認や、ベッド上での自動・他動的な足の運動(足関節の背屈など)を促すことが、非常に有効な予防策となります。

Q. 検査では何を調べますか?

A. 血液検査でのDダイマー測定や、造影CT検査が診断の鍵となります。現場では、医師が心電図や心エコーを組み合わせて、肺への負担度を素早く評価します。

まとめ:現場で役立つ「肺塞栓症」の知識

  • 肺塞栓症(PE)は血栓が肺の血管を塞ぐ、命に関わる緊急疾患。
  • 「足の血栓(DVT)」が原因になることが多いため、下肢の状態観察が重要。
  • 急な呼吸苦や頻脈は要注意のサイン。
  • 予防の基本は水分摂取と早期離床、弾性ストッキングの適切な使用。

「何かいつもと違う」という現場の小さな違和感は、時として命を守る大きな発見につながります。難しい病名に圧倒される必要はありません。今日から患者さんの足の状態を少し意識して見ることから始めてみてくださいね。あなたのその視点が、患者さんの安心を守る最強の武器になります!

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