(Passive Range of Motion)
医療現場でリハビリやケアの記録を見ていると、時折目にする「PROM」という言葉。これを見て「何の略だろう?」と不安になったことはありませんか?
PROMを一言でいうと、自分では動かせない関節を、介助者が代わりに動かしてあげる「他動運動」のことです。患者さんの拘縮(こうしゅく)を防いだり、可動域を維持したりするために、毎日のケアで非常に重要な役割を果たしています。
「PROM」の意味・定義とは?
PROMは、英語のPassive Range of Motionの頭文字をとった略語で、日本語では「他動関節可動域(運動)」と訳されます。Passiveは「受動的・他動的」、Range of Motionは「関節可動域」を意味しています。
つまり、患者さん自身の力ではなく、看護師やセラピスト、介護スタッフが外力を加えて関節を動かすことを指します。電子カルテや申し送りでは、単に「PROM訓練」と記載したり、リハビリ指示箋で「PROMを行う」と表現されたりするのが一般的です。
医療・介護現場での実際の使われ方・例文
現場では、患者さんの状態を確認したり、リハビリのメニューを共有したりする際によく使われます。特に整形外科や回復期病棟、介護施設では毎日のルーチンとして欠かせない言葉です。
- 医師との会話:「術後の回復が順調なので、明日から患部のPROMを開始してもよろしいでしょうか?」
- 看護師間の申し送り:「右側の麻痺が強いので、看護ケアの時間に下肢のPROMを丁寧に行っています。」
- 介護記録:「硬さが目立ってきたため、ストレッチを兼ねて肩関節のPROMを10回ずつ実施。」
「PROM」の関連用語・現場での注意点
PROMとセットで必ず覚えておきたいのが、患者さん自身の力で動かす「AROM(Active Range of Motion:自動関節可動域)」です。現場では、この「他動(PROM)」と「自動(AROM)」を使い分けてケアを行うことが求められます。
注意点として、PROMを行う際は無理に動かさないことが鉄則です。特に骨折後や炎症が強い時期、あるいは痛みがある場合に無理やり動かすと、かえって組織を傷つけてしまうリスクがあります。「可動域を広げよう」と焦る気持ちは大切ですが、まずは患者さんの表情や痛みのサインをしっかり観察し、主治医や理学療法士の指示に従って安全に行いましょう。
「PROM」に関するよくある質問(FAQ)
Q. PROMは自分で行うストレッチとは何が違うのですか?
A. 自分で行うストレッチは「自動運動」に近いですが、PROMは完全に介助者が動かすのが特徴です。自分で動かせない方でも関節を動かすことで、血流を促進し、関節が固まるのを防ぐ目的があります。
Q. PROMをするときの力加減はどう判断すればいいですか?
A. 基本は「痛みのない範囲」まで動かすのがルールです。無理に力を入れるのではなく、ゆっくりと優しく、関節の動きに抵抗がない範囲で行うのがコツです。痛みがある場合はすぐに中止して報告しましょう。
Q. 電子カルテで「PROM制限あり」と書かれている場合はどうしますか?
A. それは「そこまでしか動かしてはいけない」という制限があることを意味します。関節の安定性や術後の保護が理由ですので、無理に動かさず、必ず指示された可動域を守ってケアを行いましょう。
まとめ:現場で役立つ「PROM」の知識
- PROMは「他動関節可動域(運動)」のことで、介助者が関節を動かすこと。
- 目的は関節の拘縮予防や血流改善であり、毎日のケアで非常に重要。
- 必ず「無理な力をかけず、痛みのない範囲で行う」のが鉄則。
- AROM(自動運動)との違いを理解し、患者さんの状態に合わせて使い分ける。
最初は専門用語が多くて戸惑うこともあるかもしれませんが、PROMは患者さんの身体を守る大切なケアの一つです。現場で経験を重ねながら、少しずつ患者さんに心地よい動きを提供できるようになっていきましょう。応援しています!
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