【DICOM】とは?医療・介護現場での意味や使い方を分かりやすく解説

DICOM
(Digital Imaging and Communications in Medicine)

医療現場で働いていると、放射線科や検査室から「DICOM(ダイコム)データが届いた」「DICOM形式で保存して」といった言葉を耳にすることがあるはずです。これらを聞いて、なんとなく「医療用の画像データのことかな?」と想像する方は多いかもしれません。

一言でいうと、DICOMとは「世界中で共通して使える医療画像データのルール」のことです。レントゲンやCT、MRIで撮影された大切な画像が、どこのメーカーの機械であっても、どこの病院のシステムであっても正しく表示され、正しく診察に使えるようにするための、世界共通の「お約束」なのです。

「DICOM」の意味・定義とは?

DICOMは、Digital Imaging and Communications in Medicineの頭文字をとった言葉です。日本語に訳すと「医療におけるデジタル画像と通信」となります。

昔は、病院ごとに画像を扱う規格がバラバラで、A社のCTで撮った画像をB社のモニターで見ることができないという問題がありました。そこで、どのメーカーの機器でも同じように画像をやり取りできるように作られたのがDICOMです。

このデータには、単なる画像だけでなく、患者さんの氏名、ID、生年月日、検査日時、撮影条件などの「タグ情報」がセットで記録されています。つまり、DICOMデータは「誰の、いつの、どのような検査画像か」という情報が詰まった、非常に信頼性の高いデータ形式なのです。

医療・介護現場での実際の使われ方・例文

現場では、PACS(画像保存通信システム)や電子カルテを操作する際に日常的にこの言葉が使われます。「DICOMビューワ」という言葉を耳にすることも多いでしょう。

  • 「このCT画像、DICOM形式で外部の病院に送れるように準備しておいてください。」
  • 「PACSの調子が悪くてDICOMデータの読み込みが遅いみたいだから、放射線科に確認してくれる?」
  • 「先生、先ほど撮影したMRIのDICOM画像がビューワで見られるようになりましたので、診察をお願いします。」

「DICOM」の関連用語・現場での注意点

DICOMに関連して覚えておくべき用語として、PACS(パックス)があります。PACSは「Picture Archiving and Communication System」の略で、DICOM形式の画像を保存・閲覧するためのシステムのことです。現代の医療現場では、電子カルテとPACSが連携して動いているのが標準的です。

注意点として、DICOMデータを個人のUSBメモリ等で持ち出す際は、必ず施設内のルールに従ってください。DICOMデータには患者さんの個人情報が含まれているため、セキュリティ対策がなされていないメディアでの移動は、重大な個人情報漏洩事故につながるリスクがあります。

「DICOM」に関するよくある質問(FAQ)

Q. スマホやデジカメの画像とは何が違うのですか?

A. 一般的な画像(JPEGなど)と異なり、DICOMは高い精度で画像の色や形を保持します。また、誰のデータかという正確な患者情報を一緒に埋め込んでいるため、医療診断という「間違いが許されない場面」で使用するのに特化しているのが特徴です。

Q. DICOMデータがうまく開かない時はどうすればいいですか?

A. 専用の「DICOMビューワ」というソフトが必要です。一般的な画像閲覧ソフトでは開けないことが多いので、まずはPACS経由で開いているか、あるいは指定のソフトが正しく起動しているか、IT担当や放射線技師に相談してみましょう。

Q. 介護現場でもDICOMを意識する必要がありますか?

A. 直接操作する機会は少ないかもしれませんが、訪問診療や病院との連携時に「画像のDICOMデータをもらっておく」という引き継ぎが発生することがあります。専門用語として理解しておくだけでも、多職種連携がスムーズになります。

まとめ:現場で役立つ「DICOM」の知識

  • DICOMは世界共通の医療画像データの「共通言語」。
  • 画像だけでなく、患者さんの氏名やIDなどの情報がセットになっている。
  • PACSなどの専用システムで閲覧・管理するのが一般的。
  • 個人情報保護の観点から、取り扱いには厳重な注意が必要。

専門的な仕組みに最初は戸惑うかもしれませんが、DICOMは「患者さんの命を守るための正確な情報を、安全に届けるためのバトン」です。まずは「医療画像の共通ルールなんだな」という認識から始めてみてください。現場での日々の業務、応援しています!

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