【聴力検査】とは?医療・介護現場での意味や使い方を分かりやすく解説

聴力検査
(Audiometry)

「聴力検査(Audiometry)」と聞くと、健康診断のヘッドホンを思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし医療・介護現場において、この検査は患者さんのQOL(生活の質)や安全を守るための非常に重要な指標となります。

言葉が聞こえにくいことは、単なる不便さだけでなく、認知機能への影響や転倒リスクの増加とも深く関わっています。現場で働く私たちは、検査値という数字の奥にある「患者さんの聞こえ」を想像することが大切です。

「聴力検査」の意味・定義とは?

聴力検査とは、耳の聞こえの程度(聴力閾値)を測定し、どの程度の音が聞き取れるかを調べる一連の検査の総称です。主に、特定の高さ(周波数)の音がどれくらい小さな音まで聞こえるかを測定します。

英語ではAudiometry(オージオメトリー)と呼び、カルテ上ではPTA(純音聴力検査:Pure Tone Audiometry)という略語がよく使われます。単に「聴力」と記すこともありますが、精密な検査を指す場合はオージオという言葉が現場で飛び交うこともあります。

医療・介護現場での実際の使われ方・例文

現場では、患者さんの訴えに対して医師が検査を指示する場面や、介護職が「最近聞き返しが多い」という気づきを報告する場面でよく使われます。

  • 医師からの指示:今回のめまいの原因を精査するため、一度耳鼻科で聴力検査をオーダーしておいてください。
  • 申し送りでの会話:Aさんは先日の聴力検査で低音域の低下が認められたので、呼びかける際は少し低めの声でゆっくり話すようにしましょう。
  • カルテ記載:PTA結果にて高音域の閾値上昇あり。加齢性難聴の進行が示唆されるため、補聴器の調整を検討。

「聴力検査」の関連用語・現場での注意点

関連用語として覚えておきたいのが「語音聴力検査(SDS)」です。これは、単に音が聞こえるかだけでなく、言葉として正しく聞き取れているかを測定するもので、補聴器を作る際に欠かせないデータとなります。

現場での注意点として、聴力検査の結果は「環境」に大きく左右されることを忘れないでください。検査室の防音環境や、患者さんのその日の体調、心理的な緊張感によって数値が変動することがあります。「検査結果が全て」と盲信せず、日頃のコミュニケーションで感じる「実際に聞こえていなさそう」という感覚も大切にしてください。

「聴力検査」に関するよくある質問(FAQ)

Q. 健康診断の聴力検査と、病院で行う検査は何が違うのですか?

A. 健康診断の検査は「異常がないかのスクリーニング(選別)」が主目的ですが、病院での聴力検査は「難聴の原因や程度を詳細に突き止めること」が目的です。そのため、より多くの周波数で細かく測定したり、骨伝導での聞こえを調べたりと、診断のための精密なプロセスが含まれます。

Q. 認知症の患者さんでも聴力検査は可能ですか?

A. 純音聴力検査には患者さんの反応(ボタンを押すなど)が必要ですが、認知機能が低下している方には、検査者の工夫や、電気刺激を利用したABR(聴性脳幹反応)などの他覚的聴力検査という手法を用いることがあります。難しい場合も諦めず、専門医へ相談しましょう。

Q. 検査結果の「dB(デシベル)」とは何ですか?

A. 音の大きさを表す単位です。0dBに近いほど小さな音まで聞こえており、数値が大きくなるほど「より大きな音でないと聞こえない」ことを意味します。現場では「dBが高い=難聴が重度である」と直感的に理解しておくと良いでしょう。

まとめ:現場で役立つ「聴力検査」の知識

  • 聴力検査は、患者さんのコミュニケーションと安全を守るための必須データである。
  • PTA(純音聴力検査)という略語は、カルテでも頻繁に見かける重要用語。
  • 検査値だけでなく、日頃の「聞き取りにくそう」という観察眼も掛け合わせることが大切。
  • 最新の医療DXでは、簡易的な聴力スクリーニングアプリなども登場していますが、正確な診断には耳鼻科医による評価が不可欠です。

検査結果の数値を見て不安になる患者さんもいらっしゃいます。そんな時こそ、皆さんの温かい声かけと丁寧なサポートが、患者さんの安心感につながります。焦らず、一歩ずつ専門知識を積み上げていきましょうね。

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