【悪心・嘔吐】とは?医療・介護現場での意味や使い方を分かりやすく解説

悪心・嘔吐
(Nausea and Vomiting)

医療・介護の現場で頻繁に耳にする「悪心(おしん)・嘔吐(おうと)」は、患者さんが感じる「ムカムカする感じ」と「実際に吐いてしまうこと」を指す言葉です。

特に緩和ケアや終末期医療の場面では、この症状が患者さんのQOL(生活の質)を大きく左右するため、早めの気づきと的確なケアが求められる非常に重要なサインとなります。

「悪心・嘔吐」の意味・定義とは?

医学的に「悪心」とは、胃の内容物を吐き出したいという不快な感覚、いわゆる「吐き気」のことを指します。これに対して「嘔吐」は、胃の内容物が食道を経て口から強制的に排出される現象そのものを指します。

「悪心」は「おしん」と読みますが、現場では読みやすさから「はきけ」と発音することも一般的です。電子カルテの記載では、略語として「N/V(Nausea / Vomitingの頭文字)」と書かれることが多く、申し送りや日報でも「N/Vあり」といった形で短縮して使われます。

医療・介護現場での実際の使われ方・例文

現場では、患者さんの状態を正確に伝えるために、この言葉を頻繁に使用します。特にいつ、どのようなタイミングで起きたかをセットで報告することが重要です。

  • 「食後に悪心を訴えられたため、オランザピンを臨時で投与し経過観察中です。」
  • 「夕方の申し送りで、〇〇様が数回にわたり嘔吐されたとの報告がありました。誤嚥のリスクを考慮して体位を工夫しましょう。」
  • 「悪心・嘔吐が続いているので、現在の制吐剤(吐き気止め)の効果を見直す必要があるかもしれません。」

「悪心・嘔吐」の関連用語・現場での注意点

関連用語として、「制吐剤(せいとざい)」という言葉をセットで覚えておきましょう。これは吐き気を抑える薬の総称で、現場では頻繁に登場します。また、嘔吐物による「誤嚥(ごえん)」や「窒息」には十分な注意が必要です。

新人スタッフが注意すべきは、「嘔吐した回数」だけでなく「嘔吐物の内容(色や性状)」も確認することです。例えば、コーヒー残渣のような黒っぽい嘔吐物は消化管出血のサインかもしれないため、ただ報告するだけでなく、実物を(可能であれば)確認し、医師へ正確に伝えることが重要です。DX化が進む現在では、画像記録を残せるシステムを活用し、多職間で情報を共有する施設も増えています。

「悪心・嘔吐」に関するよくある質問(FAQ)

Q. 悪心と嘔吐は、必ずセットで起こるものですか?

A. いいえ、必ずしもセットではありません。吐き気だけを感じる(悪心のみ)場合もあれば、予兆なく突然吐いてしまう(嘔吐のみ)こともあります。どちらか一方でも確認された場合は、患者さんの苦痛を和らげるケアが必要です。

Q. 嘔吐した際、どのような体位にするのが安全ですか?

A. 基本的には「側臥位(そくがい=横向き)」にします。仰向けだと嘔吐物が喉に詰まり、窒息や誤嚥性肺炎を引き起こす危険があるため、頭を少し低くして横を向かせ、吐き出しやすい姿勢を確保してください。

Q. 「N/V」とカルテに書くとき、他に付け加えるべき情報はありますか?

A. 「発生時刻」「回数」「嘔吐物の色・量・性状」「随伴症状(腹痛や発熱など)」「直前の食事内容」を記載すると、医師が診断を下しやすくなります。最新の電子カルテでは定型文ツールもあるので、効率的に入力を工夫しましょう。

まとめ:現場で役立つ「悪心・嘔吐」の知識

  • 悪心は「吐き気」、嘔吐は「吐くこと」を指す。
  • カルテや申し送りでは「N/V」と略されることが多い。
  • 観察時は、回数だけでなく「性状」の確認を忘れずに行う。
  • 嘔吐時の誤嚥防止には「側臥位」が基本である。

患者さんの苦痛にいち早く気づき、適切にフォローできるあなたは、チームにとって欠かせない存在です。専門用語に圧倒されず、目の前の患者さんの「辛い」という声に寄り添う気持ちを大切にしてくださいね。

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